[ニュースカルチャー] 厳しい暑さが続く夏。それでも人々は、それぞれの方法でこの季節を楽しんでいる。冷たい水に飛び込んで涼をとる人もいれば、熱い火の前で汗を流しながら料理を作る人もいる。旬の食材を惜しみなく食卓に並べ、夏ならではの味を楽しむ姿もある。暑さから逃れるのではなく、全身で季節を受け止める。そこには夏だからこそ生まれる活気がある。
そんな夏の日常は、韓国各地で繰り広げられている。山や渓谷、海や干潟、そして人々が暮らす小さな村。舞台は違っても、夏を楽しもうとする人々の表情には同じようなエネルギーがあふれる。自らの手で食材を採り、火を囲んで料理を作り、冷たい水に身を委ねる。何気ない夏の営みが人と人をつなぎ、忘れられない一日をつくっていく。
7月20日から24日まで午後9時35分に放送されるEBS1「韓国紀行」第866回「夏はウキウキ」では、暑ささえも楽しみに変えながら夏を満喫する人々の日々を追う。
清松、冷たさと熱さが彩る夏の食卓
慶尚北道・清松は、深い山々と澄んだ水に恵まれた土地だ。この地域では古くから湧き出る薬水を料理に生かしてきた。薬水場の周辺に並ぶ食堂は、旅人だけでなく地元の人々にも長年親しまれている。自然から授かった水と食材を生かす昔ながらの味は、今も変わることなく受け継がれている。
名物は、薬水でじっくり煮込んだ鶏のペクスク。すっきりとした味わいのスープは、暑さで疲れた体にもやさしく染み渡る。そこに炭火で香ばしく焼き上げた鶏プルコギが加われば、夏の食卓はいっそう華やぐ。同じ鶏肉でも調理法を変えることで、まったく異なる味わいを楽しめるのも魅力だ。
夏の清松を訪れたなら、周王山の渓谷も外せない。深い森と岩の間を流れる水は、真夏でもひんやりと冷たい。龍湫滝から龍淵滝へと続く道を歩けば、渓流の音と山を抜ける風が火照った体を静かに冷ましてくれる。
山の麓にある昔ながらの食堂では、長い年月を重ねた手仕事の味に出会う。90歳を超える店主が今も自ら生地をこねて作る手打ちカルグクスは、素朴ながら奥深い味わい。山菜のチヂミとともに並ぶ一膳には、この土地で長く守られてきた食文化と人の温もりが詰まっている。
襄陽・黄龍村、みんなで動き、みんなで味わう夏
江原道・襄陽の黄龍村では、自然と人々の暮らしがすぐそばにある。村を流れる水は日々の生活と深く結びつき、夏になるとその存在はいっそう大きくなる。強い日差しが照りつける日も、人々は迷わず水辺へ向かう。暑さを避けるのではなく、水と遊びながら一日を過ごすのが、この村の夏だ。
村人たちがそろって楽しむ川漁は、黄龍村ならではの夏の風物詩。流れの中を進み、石を持ち上げながら魚を探す。誰かが水の流れをせき止めれば、別の誰かがその隙間に目を凝らす。自然と役割が生まれ、息の合った共同作業が続いていく。魚が増えるたびに、川辺には笑い声が広がる。
捕まえた魚は、その場で夏のごちそうに変わる。屋外に即席の調理場を設け、大きな鍋にナマズやコウライオヤニラミ、モツゴなどを入れて豪快に煮込む。湯気とともにメウンタンの香りが立ち上ると、人々は鍋を囲んで出来上がりを待つ。たっぷり汗を流した後に味わう熱々の一杯は、夏の日ならではの格別な味だ。
村の近くにある氷穴も、暑い日の人気スポット。外とは別世界のような冷気に包まれ、少し足を踏み入れるだけで火照った体がすっと落ち着く。子どもから大人まで涼を楽しんだ後は、山の恵みを生かしたペクスクが待っている。自然の中で遊び、食べ、休む。そんな時間が、黄龍村の夏を鮮やかな思い出に変えていく。
泰安の干潟、自らの手で掘り出す旬の味
西海岸に面した忠清南道・泰安の漁村では、海の満ち引きとともに人々の暮らしが動く。なかでもアサリのシーズンを迎えると、村全体が一気に活気づく。潮が引く時間に合わせて住民たちは道具を手に家を出て、広大な干潟へと向かう。自然のリズムに寄り添う暮らしが、ここでは長い年月をかけて受け継がれてきた。
数十台もの耕運機が列をなして干潟へ向かう光景も、この季節ならでは。目的の場所に到着すると、それぞれが持ち場を決めて作業を始める。土を掘り返し、指先の感触を頼りにアサリを探していく。地道な作業の繰り返しだが、一つ、また一つとアサリが見つかるたびに手の動きも軽快になっていく。
そこには、長年ともに暮らしてきた隣人同士ならではのつながりもある。耕運機に乗り合わせて移動し、必要な道具があれば自然に貸し借りする。多くを語らなくても互いに助け合う光景は、同じ海と干潟を生活の場としてきた人々の日常そのものだ。
作業を終えると、採れたてのアサリがその日の食卓を彩る。大きな鍋いっぱいにアサリを入れて火にかければ、貝が次々と口を開き、磯の香りを含んだスープが出来上がる。アサリが殻を開く音から名付けられた郷土料理「ワガクタン」に、香ばしく焼いたアサリのチヂミ。自分たちの手で採った旬の恵みを囲みながら、干潟で過ごした一日を締めくくる。
新島、家族で海へ繰り出す夏の一日
島に暮らす人々にとって、海は日常そのものだ。季節が変われば獲れる魚も変わり、それに合わせて一日の過ごし方も変化する。夏を迎えた新島では海がいっそう活気づき、人々も忙しい毎日を送っている。
故郷へ戻り、村を支えながら島での暮らしを続けているLee Man-sook。彼が案内する龍島には、長い歳月をかけて生まれた独特の岩や地形が広がっている。船を走らせながら眺める島々と海の風景は、陸地から見る景色とはひと味違う魅力を見せる。
漁が始まれば、家族そろって船に乗り込む。網を海へ投げ入れ、再び引き上げる。何度も繰り返してきた作業だが、網が水面に姿を現す瞬間には毎回期待が高まる。ニベをはじめ、さまざまな魚が次々と上がってくるたび、船の上には笑顔が広がる。
獲れた魚は、その日のうちに食卓へ。新鮮な魚を手際よくさばき、それぞれの魚に合った料理に仕上げて家族みんなで味わう。海から始まった一日は、海の恵みを囲む食事で締めくくられる。家族が力を合わせて得たものを、ともに分かち合う。そこには島の夏ならではの豊かさが詰まっている。
行列も夏の楽しみ、暑いからこそ味わいたい瞬間
京畿道・高陽にあるプールでは、暑さが厳しくなるほど多くの人が集まる。朝早くから入場を待つ長い列ができ、にぎやかな一日が始まる。待ちに待った水の中へ飛び込めば、夏の暑さもしばし忘れる。それぞれが思い思いの方法で、涼しいひとときを満喫する。
家族連れはレジャーシートを広げ、思い思いの場所に陣取る。クーラーボックスには食べ物や飲み物がぎっしり。水遊びの合間にひと休みしながら味わう食事も、夏のレジャーには欠かせない楽しみだ。サムギョプサルを焼いたり、冷たい果物を分け合ったり。プールサイドには夏休みらしい光景が広がる。
南楊州のある店にも、夏になると長い行列ができる。目当ては、ひんやりとしたスープとキュウリの爽やかな食感が楽しめるオイソバギグクス。暑い中で待った末にようやく一杯を手にすれば、その時間さえも夏の思い出に変わる。
水遊びを楽しみ、旬の味を求め、時には行列さえも楽しむ。暑さの中だからこそ生まれる人々の活気が、夏の一日を鮮やかに彩っていく。それぞれの場所、それぞれの方法で楽しむ人々の姿から、韓国の夏が持つエネルギーが伝わってくる。
ニュースカルチャー M.J._mj94070777@nc.press
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