世宗は中国の農法をそのまま取り入れるのではなく、朝鮮半島の気候と土壌に合った独自の農業技術をまとめた農書『農事直説』を編纂した。民が安定した収穫を得て飢えから逃れられるよう願った、愛民精神の結晶だった。
5月23日午前9時から、京畿道・驪州市に位置する世宗大王陵の位土畓では、「世宗 農事直説:位土畓 田植え体験イベント」が開催される。参加者は伝統民服を着用し、二頭の牛が田を耕す鋤き実演を見学した後、実際に牛を操る体験に参加する。その後、田んぼに入り、手で苗を植える伝統的な手植え田植えを体験する予定だ。イベント終了後には、きな粉餅つきや花鉢づくりなど、家族連れ向けの体験プログラムも行われる。
今回の行事の中心となるのは、江原道無形遺産に指定されている「洪川冬里農耕文化」の実演だ。冬里農耕は、石が多く険しい山間地を開墾するため、二頭の牛に一つの軛をつけて鋤を引かせる伝統農法である。一頭引きよりも高度な訓練と農夫の繊細な制御技術が必要とされる。洪川冬里農耕文化保存会は、泥田を平らにならす冬里牛の代掻きを直接披露し、機械化以前の農耕労働の姿を再現する。
代掻きが終わった田んぼでは、機械式田植え機を使わない伝統的な手植え田植えが行われる。参加者たちは裸足で泥田に入り、両側から張った縄を基準に一定の間隔で苗を植えていく。腰を曲げ、後ずさりしながら苗を泥の中へ差し込む作業には、協調性と一定のリズムが欠かせない。複数人で労働を分担し効率を高めていた韓国固有の農耕共同体文化が、そのまま再現される瞬間だ。
伝統的な田植え体験は、労働と食の価値を改めて実感させる。泥の感触と汗を流しながら苗を植える過程を通じて、日々の食卓に並ぶ米一粒がどれほど多くの労力によって生まれているのかを体感できる。牛の力と人の手だけで農作物を育てていた時代の風景の中で、参加者たちは世宗大王の愛民精神と、失われつつある農耕遺産の価値を再発見することになる。
ニュースカルチャーのM.J._mj94070777@nc.press
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