ノ・ヨンワン監督『後光』、東京国際映画祭「アジアの未来」部門で最優秀賞を受賞

韓国のノ・ヨンワン監督（写真）の初長編映画『後光』（制作：ヘリコンスタジオ、プロデューサー：キム・ウンナ）が、第38回東京国際映画祭（Tokyo International Film Festival、以下TIFF）の「アジアの未来」部門で最優秀作品賞を受賞した。

ノ・ヨンワン監督の初映画『後光』（制作：ヘリコンスタジオ、プロデューサー：キム・ウンナ）が第38回東京国際映画祭「アジアの未来」部門で最優秀作品賞を受賞。写真＝2025 TIFF

この部門は、新しい世代の映画言語と作家的視点を発掘する目的で、アジア地域の新人監督による三作目以下の長編を競う主要セクションである。

『後光』は、『내일의 민재』（監督 パク・ヨンジェ）を含む10本の競合作品の中から最終的に選ばれた。

『後光』の授賞式。左から「アジアの未来」審査員ニシザワ・アキヒロ、審査員マツナガ・ダイシ、ノ・ヨンワン監督、審査員エレン・キム。写真＝2025 TIFF

監督はこれまで『帰郷』『エウムギル』『ソリクン』などの作品に制作・助監督として携わり、今回は初監督作として注目された。特にハンドヘルド・ロングテイク手法で撮影された新人俳優チェ・ガンヒョンと演技派俳優イ・ジェヨンの息の合った演技が印象的だった。作品は青年の労働、家族の亀裂、社会的孤立といった韓国社会における構造的現実を鋭く描写しており、審査員からもその点が高く評価された。

ノ・ヨンワン監督の初映画『後光』（制作：ヘリコンスタジオ、プロデューサー：キム・ウンナ）。写真＝ヘリコンスタジオ

審査員団は「平凡な人々の苦しみを、息が止まるほど近くで追いながらも、人間心理を繊細かつ大胆に新しい形式で探究した作品だった」と評している。

ノ監督は受賞スピーチで、「『アジアの未来』という大きな賞をくださった審査員の皆様、そして支えてくれたスタッフの方々に心から感謝します」と述べた。さらに「『後光』は光を求めながらも影を抱えた物語であり、目に見えない場所で働く宅配ドライバーと平凡な市民たちの人生を描いた作品です。この栄誉をすべての俳優とスタッフへ捧げます」と語った。

映画『後光』は、来年韓国国内公開を目指しており、さらに国内外の映画祭への招待上映も検討中である。

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